家計について意識をし始めてきた。しかし具体的に家計を管理するにあたって、どういう仕組みを作ればよいか。
その具体策を提示してくれていたのが本書でした!
「できればお金のことなんて、考えずに暮らしたい…」「べつに投資で儲けたくないし、損するのもイヤ…」「コツコツ節約するのはダルい、投資はむずかしそう…」そんな人のための最初で最後のマネー教本。年収400万~、年1回のメンテでOK!ほったらかしで3000万円の〈家計システム〉をつくろう!
著者は、米国公認会計士でFPの岩崎淳子氏。家計管理を行う主婦の立場から米国公認会計士を取得された面白いキャリアをお持ちの方で、投資の価値観など日米を比較して語ってくれるのが新鮮です。
全体の感想・書評
コンパクトかつわかりやすい分量で読みやすい!
指南書とかビジネス書とか、何かを説明してくれるものはこの点が最も大事ではないでしょうか?
「最高の家計システム」を作ることが目標とし、過去を記録する「家計簿」も大事だが、将来を見据えた資産を蓄えられるシステムを構築することが大事と述べています。
まずは前提として、「預金だけ」ではもったいないこと、現実的な老後資産を貯めるのは非常に困難なことを挙げ、「保険」は貯蓄機能にはならないことを追究します。
前段階の知識を確認した後は、実践として「インデックス投信」を使った「家計システム」構築方法を述べてくれています。
この流れは起承転結がとてもきれいで、内容が頭にすっと入ってきます。
初心者の視点が忘れず盛り込まれている
本書は家計に携わり、「家計システム」を構築する初心者に対しての内容です。
そのため、専門的な用語が出てきたときやわかりづらい投資理論等はとてもわかりやすく解説してくれています。
また、「どうして?」と気になるであろう痒い所に手が届く補足もあります。
私は投資の初心者というわけではありませんが、知識の整理にも役立ちました!
特に「トクする保険はない」ということは目から鱗でした。
今まで漠然と知っていた知識がきちんとかみ砕かれて理解できました。
超具体的なメソッドで非常に実践向き!
「家計システム」には「インデックス投信」が必要というのが筆者の立場です。
この本の良いところは、ただその提言で終わるのではなく、具体的にどのように「インデックス投信」を購入するかというところを詳細に語ってくれています。
具体的な証券会社(SBI証券と楽天証券)での投信の検索の仕方、表の見方などを図解もしてくれていますので、誰もが取り組める内容となっています。
根拠を述べたうえでオススメの投資商品も具体名を載せてくれているので、とてもわかりやすいですし、参考になります。
私も明確な自信はなく「積立NISA」、「iDeCo」でインデックス投信を選んでいましたが、本書で確信を得ることができました。
ポイントまとめ
預金は基本生活費の6か月分のみ
いわゆる「生活防衛費」のこと。
娯楽費等を除いて最低限生活できる資金を6か月分だけ、預金でためておく。
(例えば、月30万円必要なら180万円を預金で持っておく。)
車購入資金やマイホーム購入資金等があるなら、それは別にためておく。
これら以外は、すべて投資に回すことでシステムが出来上がる。
守るべき投資スタンス
価格のアップダウンに左右されない。感情が出ると負け。
強い意志で、「何もしない」。そして、攻めずに「平均」を狙う。
しかしながら、投資とは人のゲームで人に勝つことではない。
自分自身のゲームで自分自身をコントロールすることだ。
ベンジャミン・グレアム『賢明なる投資家』より
本書でも引用されていたこの言葉が印象的!
放置するって意外と難しいので頑張りたいです・・・。